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Wasedocu5
2018年1月27日(土)11時から19時30分(開場10時30分)
この日本の片隅で
TVドキュメンタリスト
七沢潔と大森淳郎のメッセージ
テレビドキュメンタリー作品の上映とトーク
会場:早稲田大学小野記念講堂
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参加費無料/どなたでも参加できます/事前申し込み不要
30年以上にわたり、テレビ(NHK)を舞台にドキュメンタリーを制作してきた二人のディレクター、七沢潔と大森淳郎が2017年に定年を迎えた。311直後、いち早く原発事故の被災地に入り、放射能汚染の実態と災禍に翻弄される人々を描いたETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図」は二人の絆が原動力となった名作である。
二人は沖縄や核、戦争を対象とするなど共通点を持ちながらも、よりジャーナリスティックに構造に迫る七沢と、人間の心情深く事態の影を追う大森と、異なるアプローチを持ち味としてきた。
同じ時代、同じチームに属しながらも、それぞれの作風を追及した二つの個性、伝えたメッセージを、作品と対話を通じて読み解く。
トークゲスト
七沢潔(ななさわ・きよし)NHK制作者
1957年静岡県生まれ。1981年早稲田大学政冶経済学部卒業後、ディレクターとしてNHK入局。沖縄や原発、イスラム世界をテーマに多数のドキュメンタリー作品を制作。2004年にNHK放送文化研究所へ異動。現在、上級研究員。
主な作品にNHK特集「放射能食糧汚染-チェルノブイリ・2年目の秋」(1987)、ドキュメンタリー’90「軍用地返還というけれど-米軍新戦略に揺れる沖縄」(1990)、NHKスペシャル「シリーズ イスラム潮流」(1999)、ETVスペシャル「貘さんを知っていますか?-沖縄に生まれ、大和で生きた詩人・山之口貘の軌跡」(2004)、ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図-福島原発事故から2か月」(2011)。
論文に「記録された沖縄の“本土復帰”」『放送メディア研究8』。著書に『原発事故を問う-チェルノブイリから、もんじゅへ』(岩波新書)、『テレビと原発報道の60年』(彩流社)。共著に『ホットスポット-ネットワークでつくる放射能汚染地図』(講談社)など。
大森淳郎(おおもり・じゅんろう)NHK制作者
1957年埼玉県生まれ。1982年東京外国語大学ヒンディー語学科卒業後、ディレクターとしてNHK入局。主にETV特集を手掛ける。現在、NHK放送文化研究所特任研究員。
主な作品にETV特集「モリチョウさんを探して-ある原爆小頭児の生涯」(1993)、NHKスペシャル「沖縄-戦場の記憶」(1997)、ETV特集「祖父の戦場を知る」(2006)、ETV特集「ひとりと一匹たち-多摩川 河川敷の物語」(2008)、ETV特集「祖父の戦場を知る」(2006)、ETV特集シリーズBC級戦犯第2回「罪に向き合う時」(2008)、ETV特集シリーズ戦争とラジオ第1回「放送は国民に何を伝えたのか」(2009)、ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図-福島原発事故から2か月」(2011)など。
共著に『BC級戦犯 獄窓からの声』(日本放送出版協会)、『ホットスポット-ネットワークでつくる放射能汚染地図』(講談社)。
●11:00
ETV特集「ひとりと一匹たち-多摩川 河川敷の物語」(2009/ディレクター大森淳郎)
2009年秋、大型台風が東京を直撃、新聞の片隅には、多摩川の河川敷に暮らすホームレス数人が流され行方不明という記事が載った。名前も年齢も出身地もわからないまま、人間が突然消えてしまう。そんなのおかしい。河川敷で暮らすおじさんたちって、いったいどんな人たちなんだろう、ディレクターは、多摩川で暮らす捨て猫を撮り続ける写真家の小西修さんと共に河川敷をめぐる旅を始めた。
(撮影:関裕一/音声:渡辺博史/技術:金侹希/音響効果:成田純一/編集:望月博文/撮影、ディレクター:大森淳郎/プロデューサー:平田恭佐)
●12:40
ETVスペシャル「貘さんを知っていますか?-沖縄に生まれ、大和で生きた詩人・山之口貘の軌跡」(2004/ディレクター七沢潔)
ユーモアで鋭い社会批評を包んだ作風で愛される詩人の山之口貘(やまのくち ばく1903-63)。那覇で生まれ19歳で上京、放浪生活と貧乏の中で歩いたのは、下宿屋に「琉球人お断り」と貼紙される時代、日本が戦争に向かった時代、そして故郷沖縄が戦火に焼かれ、アメリカの占領下に置かれる時代だった。新たに見つかった原稿、本人の口述録音、関係者の証言をもとに足跡をたどった。
(ナレーター:斎藤晴彦/撮影:澤中淳、太田信明/音声・照明:佐々木里枝、水浪朋洋、土肥直隆/技術:相見信介/車両:平敷兼七/音響効果:三瓶智秋/編集:鈴木良子/ディレクター:七沢潔/プロデューサー:大森淳郎)
●14:10 トーク
●14:40
ETV特集「モリチョウさんを探して-ある原爆小頭児の空白の生涯」(1993/ディレクター大森淳郎)
モリチョウさんは母の胎内で被爆した。爆心1キロで被爆した父親は数週間後に死亡、体調不良の母親とも生き別れとなった。縁者を頼って上京したモリチョウさんは、やがて一人で暮らし始める。肩に出来た腫瘍に苦しみ入退院を繰り返すうちに、モリチョウさんは初めて被爆者として「発見」されるが、数カ月後に死亡した。いったい彼は、どう生き抜いてきたのか。空白の生涯を探す。
(資料協力:森下一徹/ナレーター:蟹江敬三/撮影:講元邦夫/技術:守屋良司、長尾征人/音響効果:吉田隆一/編集:鈴木良子/ディレクター:大森淳郎/プロデューサー:山登義明)
●15:40
ドキュメンタリー‘90「原発立地はこうして進む-奥能登・土地攻防戦」(1990/ディレクター七沢潔)
能登半島の先端の珠洲市が原発の立地で揺れている。関西電力は候補地の高屋地区の家々を回り、調査と称して土地の借地交渉を重ねる。反対派住民はお寺を中心に共有地づくりで対抗、電力会社員の行動を監視する。村は祭りも開けないほど分断された。作品では2000筆の登記謄本から作成した土地所有地図を手掛かりに、秘密裏に売買される土地の動きとその背後を追った。
(ナレーター:井川比佐志/撮影:土屋裕重/音声:栗原正和/音響効果:佐藤彰/編集:鈴木良子/取材:日置一太/ディレクター:七沢潔/プロデューサー:池成啓、壇上滋)
●16:40
ETV特集「ネットワークでつくる放射能汚染地図-福島原発事故から2か月」(2011/ディレクター七沢潔、大森淳郎)
放射線衛生学者の木村真三と取材班は福島原発事故発生の4日後に現地入りし、原発周辺で土壌や植物をサンプリングして厳しい放射能汚染の実態を調査、放射線測定記録装置を車に積んで3000キロを走り、緻密な放射能汚染地図を作った。その間、遭遇したのは高濃度汚染地帯に寝泊まりする避難者たちや牛や馬、鶏を抱えて立ち往生する人々・・・・・・。福島市では校庭の汚染をめぐり親たちの抗議が始まっていた。
(ナレーター:鹿島綾乃/撮影:日昔吉邦、井上衛、服部康夫/音声:折笠慶輔、佐藤健康、内村和嗣/CG:高﨑大介/車両:今井秀樹、丹野進/音響効果:日下英介/編集:西條文彦、佐藤友彦、青木孝文/取材:梅原勇樹、石原大史、池座雅之、渡辺考/ディレクター:七沢潔、大森淳郎/プロデューサー:増田秀樹、原由美子)
●18:20 トーク
参加費無料/事前申込不要
上映作品は予告なく変更する場合がございます。
問合せ:docs@japandocs.org